海洋高、閉校プールで
京都府宮津市の府立海洋高・海洋資源科3年生8人が14日、今年3月に閉校した小学校のプールを活用して、京料理に使われる淡水魚「ホンモロコ」の養殖を開始した。
実習の一環だが、将来の事業化を見据えた取り組みで、まずは養殖技術の確立を目指す。
ホンモロコは、素焼きや甘露煮などにするとおいしい高級魚で、京料理の食材の一つ。本来は琵琶湖の固有種だが、外来魚などの影響で激減しているという。
海洋高では養殖の事業化に向けて、2012年から校内の水槽で飼育を開始。13年に約7キロ、14年には約20キロを京都市などの料理店へ出荷している。
さらに規模を拡大するため、大量のホンモロコを養殖できる施設を探していたところ、昨年11月、事情を知った宮津市が、閉校が決まっていた市立上宮津小プールの利用を提案、実現が決まった。
生徒たちはこの日、体長約2センチの稚魚約2万匹をプールに放した。最終的には計3万匹を移し、約半年間かけて体長10センチの成魚まで育てる計画。
水槽よりも天敵の鳥などに狙われやすく、病気が発生した場合の管理が難しいといった課題があるが、生徒らは今後、夏休み返上で餌やりやプール掃除などをしながら、稚魚の成長を観察。様々な課題への対処法を考えていく。順調にいけば、12月頃には150キロの出荷量が見込めるという。
ホンモロコ養殖班の班長を務める広瀬亮佑君(17)は「初めての取り組みで、色んな失敗を経験するかもしれないが、頑張りたい」と話していた。
2015年07月15日 12時37分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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