2012年8月1日水曜日

高校生作った「那須かるた」、商品化へ 栃木


写真・図版発売される「那須かるた」。左から大野愛教諭、文芸部長の栄秋穂さん、リゾート観光科長の田中直行教諭=那須町の那須高校


 那須町寺子乙の県立那須高校(生徒数426人)の生徒たちが作った郷土を紹介する「那須かるた」が、観光土産品として8月下旬にも商品化されることになった。地域の歴史や名所などを題材にしたのが高い評価を受け、「那須ブランド」にも認定された。

 同校は、統一テーマとして地域貢献教育の「観光プラン」を進めている。地域に役立つ実践教育でもある。

 「那須かるた」もそのひとつ。県内の県立高で唯一のリゾート観光科の生徒が中心となって、かるたに登場する名所など観光資源を選定し、文芸部が読み札の文句を考えた。絵札のデザインは美術部が担当するなど、みんなで力を合わせて昨年3月に完成した。

 那須の自然や名所旧跡、歴史を5・7・5の文字数を基本に44枚の読み札で紹介する。「あ」の「あたたかさ 人に与える 那須ことば」で始まり、「わ」の「わが故郷 那須のよさ知る 那須検定」まで。美しい風景なら「リンドウは 心を癒(いや)す 那須の花」と語り、歴史なら「目もくらむ 美女の正体 九尾の狐(きつね)」などとなっている。

 読み札の裏面には、名所や歴史の解説文も記され、楽しみながら那須のことが分かる。カラーの絵札も力作だ。200セット作り、町内の小中学校や幼稚園などに配った。

 今月5日の「なすまち子どもフェスティバル」でも、昨年に続いて「那須かるた大会」が開かれる。

 那須ブランドは、商工会や観光協会など町経済四団体推進連絡協議会が2008年から認定しており、今年で5回目。8点の応募の中から5点が選ばれた。これまでに43品目が受けている。

 発売するのは観光施設運営の第三セクター「那須未来」。1セット千円で、道の駅那須高原友愛の森などで取り扱いを始める予定。

 製作の中心になった当時の2、3年生は卒業したが、読み札に携わった文芸部長の栄秋穂さん(3年)は「那須の歴史など知らないこともあり、勉強しながらで難しかった。努力が実ってうれしい」と話している。

(人見正秋)