外国人観光客に生口島の良さを知ってもらおうと、島にある瀬戸田高校(尾道市瀬戸田町)の生徒たちが情報誌「巡り人」の英語版「Meguribito」を作った。昨年、先輩たちが作った日本語版の内容を充実させ、自分たちで翻訳。高校のホームページにも載せて広く発信している。
 「巡り人」は、広島と愛媛で昨年開かれた博覧会「しまのわ」に合わせ、当時の生徒会執行部7人の「しまおこし事業部」が作った。単なるお店の紹介にならないよう、島に暮らす人たちの横顔を紹介した。
 取り上げた15人は、事業部顧問で家庭科実習助手の藤田玲生(れお)さん(41)が探した。バルーンアートが趣味の男性や、減農薬栽培した柑橘(かんきつ)類でフレッシュジュースを出す農家など個性派ぞろい。2750部を刷って観光案内所などに置いたところ、在庫がなくなる人気ぶりだった。
 昨年、しまおこし事業部を引き継いだ礒辺悠花さん(18)ら7人は、自転車で島を走る外国人が増えていることに着目。先輩が作った冊子を外国人に読んでもらおうと、英語版を作ることにした。
 英語の対応ができる島の観光案内所のガイドら3人を追加取材し、取り上げる人を18人に増やした。島の年間イベントや前回より詳しい地図、広島空港やJR新尾道駅、福山駅からのアクセスも載せた。
 英訳は、事業部以外の友人にも手伝ってもらい、英語の教師や英語を話せる島の人に見てもらった。さらに、表現におかしい点がないか、つてを頼って米国人や英国人にメールで添削してもらった。
 今回は3千部を作成。島の観光案内所や市役所支所、図書館のほか、県庁などにも置く。瀬戸田高校のホームページ上にも英語版と日本語版を掲載。海外から来る人に事前に読んでもらえるようにした。
 メンバーの福原李央さん(17)は「平山郁夫美術館があり、景色もきれいな瀬戸田のいいところを世界の人に知ってほしい」と話す。問い合わせは同校(0845・27・0054)。(井石栄司)