2015年7月12日日曜日

ゲストハウス人気、男女トラブルも 宿泊所不足の京都で増加

京都市内の簡易宿所の数
京都市内の簡易宿所の数
 「ゲストハウス」と呼ばれる宿泊施設が、京都市内で相次いで誕生している。増える空き家の有効活用や、近年の外国人観光客の増加による繁忙期の「宿泊施設不足」の解消につながる可能性がある。一方で、無許可で営業するケースや、施設内での男女間のトラブル例もある。
■京都市内に推計350軒
 市によると、市内にはゲストハウスを含む「簡易宿所」が、7月3日現在498軒ある。明確な表示がない施設もあるが、この5年で市が許可した簡易宿所約200軒の大半はゲストハウスだ。魅力を紹介するホームページ「京都ゲストハウス総合案内所」を運営する吉田祐次さん(34)=東山区=は、市内での登場は2000年ごろとし、総数を約350軒と推計する。
 目立つのは町家を改修するケースだ。都市計画法などにより、簡易宿所を営業できない地域はあるが、比較的少ない資本で短期間にオープンできるのが特徴という。吉田さんのホームページでも登録する90軒のうち、下京区の「宿はる家Terrace」など、4割は町家を改装した。
 市内で居住者がいない町家は5千軒に上る。市は昨年度、空き家対策の一環で、ゲストハウスに活用する改修費で上限90万円を補助する制度を始め、すでに11件に交付を決定した。制度を利用し、5月に上京区で「京都西陣 たて糸庵」を開業した前田利一さん(65)は「京都らしさを感じさせる町家をつぶすのはもったいない。空き家対策に貢献できたら」と話す。
 市内の外国人宿泊客数は昨年度、過去最多の183万人に上った。高級ホテルの建設計画が相次ぐ中、吉田さんは「安価な施設で楽しむ外国人客のニーズは今後もあり、ゲストハウスが受け皿になる」とみる。
■男女相部屋で勘違い招く紹介も
 一方で、施設の特性からトラブルも出ている。京都市内のあるゲストハウスでは、男女混合の相部屋に宿泊した20代の男性が、初対面の20代の女性を触り、警察に通報したケースもあったという。全国には「恋愛できる確率60%」と雑誌に紹介される施設もあり、勘違いを招く恐れがある。市内の別のオーナーは「見知らぬ男女を一緒に泊まらせるのは抵抗がある」と、男女混合の相部屋は設けていない。
 また、ゲストハウスになじみの薄い近隣住民からは、夜間の騒音や火災などを警戒する声が上がっている。ある地域は、開業予定のゲストハウスに深夜に騒がない▽たばこや火気使用には十分注意する▽ごみは適正に出す-などを要望した。
 さらに、旅館業の営業許可を得ていない「ゲストハウス」もある。賃貸マンションの借り手が部屋をゲストハウスと称して許可なく「また貸し」し、大家とトラブルになるケースもある。下京区のある不動産会社は、こうしたケースで今年、4件の退去勧告を出した。ゲストハウスのホームページでは予約時に営業許可の有無が分からないケースもある。不正に憤る担当者は「まっとうに営業している施設が客を取られるなど悪影響を受けることになる」と指摘する。
■「玉石混交」改善を
 立命館大経営学部の石崎祥之教授(観光マーケティング論)の話 京都は国内でも特にゲストハウスが多く、外国人観光客が増える中、宿泊所不足や歴史ある空き家保存対策としては即効性がある。だが、一部では無許可営業など玉石混交な面があり、防犯面でもグレーな施設が増えたら心配だ。数が急激に増える中、緊急に課題に取り組むべきだ。営業許可を取るのが前提だが、行政が積極的に開業相談に乗ったり、業界で団体を作って情報を共有し、質の維持や向上に努力することが必要だ。

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